日本は水質に厳しい国です。飲料水は勿論のこと、家庭の排水、工場の排水にも規制基準があります。
特に飲料水に関しては、日本の水道水は世界的にも水質レベルが高く、飲料水として十分利用できるにもかかわらず、
全国各地の有名な天然水・銘水がどこでも売られていますし、さらに健康志向の方は水素水を通販で定期購入したりするなど、
水への意識は高いです。
このサイトでは、いくつかある水質測定器の中でも汎用度の高いph計について解説します。
ph計とは
ph計とは水溶液の酸性アルカリ性の程度を測る計器です。
ph計は水質測定器の中でも特に生産台数が多い計測器です。 用途は非常に広範囲で、工場における製品製造の工程管理、工場排水や河川水の公害監視 などに至るまで様々です。 形状も使用形態に対応してハンディ型、卓上型、定置型などがあります。 測定方式も指示薬式、アンチモン電極式、ガラス電極式などがあります。
ガラス電極法
ガラス電極法の仕組みについての解説をします。
ph電極の起電力の理論値は水温25℃において1ph当たり59.16mVであり、 温度が変化すると1℃当たり0.198mV変化します。 これを補正するために多くのph計には温度補償電極が組み合わされています。 そしてほとんどの電極がガラス電極、比較電極、温度補償電極を一体にした扱いやすい 複合型の電極構造を採用しています。
ph計の保守
ph計もメンテナンスが必要です。
ph電極は個々にゼロ点、感度ともにばらつきがあるため、測定に先立ち標準液による 校正が必要になります。 また定置型のph計では、ph電極が長期間試料水に浸されるため電極に特性劣化が生じます。 これを補正するためにも定期的な標準液校正が必要になります。
ph計の自動制御
自動制御での注意点もいくつかあります。
ph計の自動制御で注意すべき点は、反応が非線形特性であることと反応に遅れがあることです。 代表的なph自動制御の例は中和反応で、被制御液に調整のための試薬を一滴ずつ注入 していった時、中和点付近で急激なphの変化が起こります。 つまり中和点の直前で最後の1滴となる1滴を入れた時、目標ph値を大きく超えてしまう ことがあります。